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ウッズ・ホールでは、ひたすら海洋研究所が撮った映像を見続けた。昼飯の時間も惜しかったが、そのまま作業を続けると、研究所員に迷惑をかける。必然的に、最も近いところへ、ランチに行く。そ
れが「空飛ぶパイ=Pie in the Sky=ありえない話の意」。レストランとは言い難く、その名の通り、パイ生地のパンに色々な具材をはさんだものを販売している。カウンターで、パンの種類と、ハムやターキー、タマゴサラダ、チーズ、野菜などの具を指定する。パイ生地の素材は、有機の小麦。厨房の中では、若者が、せっせとパイ生地をこねては焼いている。建物の内と外に、食べるテーブルがいくつかあるが、ウェイターがサービスしてくれるわけではない。カウンターで、注文したサンドイッチを受け取り、空いた席で、食すのである。なぜか、日本の「おーい お茶」もケースに並んでいる。
旨い。サンドウィッチだけではなく、ご当地もの、クラムチャウダーの他に、日替わりスープもある。「昼飯の時間も惜しかった」という書き出しとは反して、本当は好んで日参していたのである。
ウッズホールには、今年のゴールデンウィーク期間中、滞在した。ひたすらウッズ・ホール海洋研究所の映像部門である先進画像処理・映像化研究室(=Advanced Imaging and Visualization Laboratory)にこもって、彼らが深海で撮影した数百時間の3D映像を見続けた。試写するときは、3Dでは見られない。右、左の映像のうち、左の2D映像をスキャンするのである。早回し視聴しながら、頭の中で、構成を練ってゆく。
上の写真の奥にある建物が、通い詰めた研究室である。見ての通り、トレーラーハウス。外観は貧弱だが、中には、放送局も顔負けの機材が揃っている。箱(=建物)だけ立派で、中のソフトや機材は後回しと言うのとは180度違う。民間企業なら、企業の存在感を示すため、それも意味があるかも知れないが、公的資金が間接的にでも入っている機関は、納税者の目も厳しいから、成果優先なのだ。
今回は、製作の裏話です。先日開催されたある3Dシンポジウムで、3Dのエキスパートが、この映画をほめていただき、その上で、「アルビン号の深海探検3D」映像のほとんどが、2D映像を3D化したものと発言されたそうですが、これは誤解です。もとが2Dの映像は、全体の20%程度です。全編実写に、間違いは、ありませんが・・・・。研究資料用の映像は、かなりが3D化されているのですが、その他の船上のアルビン号などは、2Dで撮られているため、3D化作業をしました。
2Dから3Dにする作業は、1フレーム(=コマ)ずつの手がかかる作業です。映画の場合、1秒間に24フレームある上、立体ですので、左右の映像を作る必要があり、1秒間の映像を作るのに48フレームの画像を処理しなければなりません。例えば、洋上で、アルビン号がクレーンでつるされる場面があります。アルビン号そのものに立体感を与えることは勿論、アルビン号をつるしているロープとその背景にある青空にも、距離感の違いを出さなければなりません。そのため、全体の画像の中から、細いロープの画像を切り出す作業を1コマずつ手作業で処理しなければなりません。そんな根気のいる作業の末、映画が出来上がったことを、感じていただければ幸いです。
「アルビン号の深海探検3D」は、全編実写です。冒頭の浅い海のシーンをCGだと思った方も多いようですが、実際に、ウッズホール海洋研究所のダイバーが、カリブ海ヴァージン諸島のセント・トーマス島の海に潜って撮ったものです。通常のアクアラング潜水ですが、かなり深い所で撮ったようです。彼らの潜水技術は、話を聞いているだけでかなりの水準です。
さて、映画の見方ですが、立体の感じ方は個人差があるようです。左右の目から入ってきたずれた像を脳が合成して立体感を作り出します。従って、人によっては、疲労感を感じることもあります。
このため、できるだけ、感じ方の厳しい「飛び出し」を抑えて、奥行き感が得られるよう編集しています。この映画では、全編実写のため、海中のほとんどの場面でマリンスノーが降っています。光に反射して美しいのですが、否応無く、カメラのレンズに近いところにも降ってきます。この近いマリンスノーばかりを見ていると、基本的には問題が無いとはいえ、疲労感を感じるかも知れません。なるべく、奥に写っているものを観た方が、自然な立体感が得られると思います。
透明感のある美しい深海の映像をお楽しみください!
土曜夕方5時、FM放送のJ-WAVEの番組「東京REMIX族」に「アルビン号・・」が取り上げられました。この番組は、山田五郎さんとしょこたん(中川翔子さん)が最新の話題を、ディープに取り上げるもの。結構、オジサン方にも人気がある。時々、深海を取り上げるが、2人の博識には脱帽する。24日の番組内容は、以下URLでご覧下さい。
http://www.j-wave.co.jp/blog/tokyoremix/archives/2009/10/post_365.html
映画「アルビン号の深海探検3D」は、似合わないので、大宣伝はしていませんが、こうした関心で取り上げていただくと大感激です。ありがとう御座いました。
今週月曜日、横浜市都筑区の「港北ニュータウン ワーナー・マイカル・シネマズ」(上写真は今年8月撮影)で、実際に劇場で上映して、映像や音響のチェックをする最終試写が行われました。予告編を除くと、シアターでの試写は、初めてですが、映像はもちろん音楽の迫力は満点です。まさに「深海に包まれる」感じです。
せっかくの試写ですので、日本の海洋研究のメッカ、「しんかい6500」で知られる横須賀の海洋研究開発機構(JAMSTEC ジャムステック)の皆さんにも見ていただきました。先日のTBSテレビの「深海特番」で、「しんかい6500」を操縦していたパイロットの方を含む十数人が参加。「照明等が進んでいる。すばらしい映像だ。」「映像面でもウッズホールと協力したい。」と、大変、好意的な反応を頂きました。ウッズホール海洋研とは、広範囲に、何かと協力関係にありますからね。
キューテック、赤坂本社スタジオのオンライン編集風景。素材が揃い、すべてつながった。
台風直下、視差調整、カラグレ(3Dでは、左右の色が微妙に違うため、色彩を同一に調整する必要がある)、本予告編の編集まで一気に終了。
音もそうだったが、今や「電気」の力で何でもできちゃうのだ。それにしても、キューテック社が日本で初めて導入した(今や、各社が導入しているが・・・)クォンテル・パブロ(Pablo)の威力には敬服。立体映像を見ながらの編集だから。2Dの左右映像をワン・フレーム(1秒間に24コマ、コマをフレームと言う)づつ合わせながら、別々に行う従来の編集は、今や、想像に絶する。
ちょっと、専門的過ぎましたね。まだ終わったわけではないけれど、とりあえず、お疲れ様でした。
11日、新宿早稲田のスタジオで、俳優 山本耕史さんのナレーション録りが、無事終了しました。
山本さんは舞台『ドリアン・グレイの肖像』(主役の堕ちてゆく美少年役とか)の稽古の合間に駆けつけ、第一声がスピーカーから流れると、立ち会った仲間から「オーさすが」という感嘆のため息がもれました。
台本冒頭に「アルビン号の一人称として語る。若いが年齢不詳。明るく好奇心旺盛。」とのみ記し、役作りは一切しませんでした。
ナレ録りが終わる頃、山本さんが、アルビンに見えてきました。
俳優は、アナウンサーと一味,ちがう!立ち会った女性陣、目が
になっていました。優しい説得力のあるナレーションに乞うご期待。
左写真は、このために集まった「プレリュード・プロジェクト」の皆さん。福井健太さんの指揮(サックス演奏も)、柏木玲子さんのピアノ・エレクトーン、弦5人の構成で、全10曲を録音。 映画のテーマに対する洞察力に感激しきり。風邪を押しての名演奏柏木さん。翌朝まで徹夜で作業してくださった福井さん、有難うございました。
午後、東京目黒のヤマハ音楽振興会内のタジオで、柏木玲子さん作曲による映画「アルビン号の深海探検3D」の楽曲録音が行われました

